10年ぐらい前から・・・もっと前からかもしれないけど、見にいきたいと思っていた行事を見ることができました。
地元の写真家さんが、僕のことを案内してくれるとおっしゃってくれたからです。
虫送りとは・・・僕はまったく勉強していなかったので、地元の方に
「何にも知らずに来てしまってお恥ずかしいですが・・・」
と、聞いてまわりました。
「兄ちゃんぐらいの若い人があとを継いでくれたらな・・・」
そんな言葉を聞きながら・・・。
「この行事をここの人達は、虫祭りなどと呼ばずに、虫送りといってきた。稲につく害虫を駆除する目的がある行事だけど、それを『送る』と表現したところに、この地域の人達の優しさを感じるんです。どうぞ、あちらの方へと送るのですねぇ」
手をかけて作った松明、実盛の人形を燃やして(昇天させて)この行事はクライマックスを迎える。
虫送りのこと
もともと、この地域で集落ごとに行われてきた虫送りの行事は、数年前に一度途絶え、実行委員会を立ち上げて復活させた経緯がある。人形や松明に使用する、藁は、お隣の岐阜県の農家から、竹も「全部機械でかってまって、ハザ掛けをしなくなった」ため、現在は地元での調達が難しい。
材料の調達などを考えると、まさに一年を通じてこの行事のために準備を進めていかなければならない。
都心部にも近いこの地域で、極端に過疎化が進んでいるとは思えないけれど、やはり悩みは後継者不足。
少しでも虫送りに親しんでもらおうと、地元の小中学生に参加を呼びかけているが、若者達の参加が定着するかどうか・・・
たまたま居合わせた会長さんからお話を聞く機会があり、ますますこの虫送りに興味が沸いてきました。
また、今回、猛暑の中、祖父江の町内を案内してくださった、地元のアマチュア写真家、原 紹郎氏の協力があって、このような機会を持つことができたと感謝しています。