flower * zakka – in the Fieldさんの写真教室でご一緒させていただいたKさんから久しぶりの電話。
「結婚することになりまして。恵那神社で式を挙げるのですが・・・」
電話の向こうからは、懐かしい声と、懐かしい地名。
あの先生たちは、元気だろうか?
あの子ども達は、お父さん、お母さん、おじいさんにおばあさん達は、どうしているだろう?
電話を終えてから、すぐに懐かしい人達の顔がたくさん浮かんできました。
4月の末、Kさんの式を撮影するために、岐阜県中津川市の恵那神社に行きました。
なれないスーツに少し息苦しさを感じつつも、久しぶりの川上です。
もう何年も前の廃校の日に、同じような服装で、この道を走っていったのを思い出します。
あの日は、どんな気持ちでこの道を分校に向かっていったのか、ほとんど覚えていません。
ただ、最後に川上の人達の写真を1枚に収めよう・・・
前日に教頭先生と打ち合わせを済ませていたカットに集中していたような気がします。
分校の撮影をして、一冊の本にまとめたい!
そう思ったのは、僕なりに考えがあって、使命感もあって、意義もあって、それは、初対面の教頭先生と、一晩中でも話せるぐらいの勢いだったと思う。
ここの人達は、今より若くて未熟な僕を、見守ってくれていたんだな・・・
手入れされている校舎を見ていると、申し訳ないようなそんな気持ちです。
『ここで見て感じた普遍的なものを撮り続けて欲しい』
毎晩のように、分校の話、写真の話をしていた教頭先生の言葉を思い出すと、今でも胸が詰まりそうになるわけです。
撮影の前なのに。
特に分校がなくなることではなく・・・というと語弊があるかもしれませんが、固有の形にこだわっているわけではないのは確かです。
気持ちを入れ替えて、恵那神社へ。
僕に撮影を頼んだ人の立場からいうと迷惑な話だったかも知れないけれど、とにかく凝らずに、見た目のインパクトを求めずに、何十年後に今日の写真を見ても、この日のことをありありと思い出せるように。
普段から気にしていることなのだけれど、ふつうの写真をしっかり撮ろう・・・そんなイメージができあがりました。
これからも、もし、どうしても撮っておきたいものがあっても、きっとそうしていくんだと思います。
普通に撮る。