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谷汲線のベテラン運転士さん

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谷汲線 車内


写真は、2001年に廃線になった谷汲線。
折り返しの準備を済ませて、発車前のひとコマ。



谷汲線一のベテラン運転士は、テキパキと支度を済ませ発車までの時間を、地元のお客さんと話して過ごしていた。

このベテラン運転士は、職場の若い人たちからも『はるさん、はるさん』と親しまれていた。
「不思議と若い人達からとても慕われているみたいで」と、奥様もおっしゃっていた。

撮影しようと電車を待っていると、車内に乗客はほとんどいないのに、地元のお客さんが運転席のすぐ脇に立って乗っていることがある。
そんな時は、だいたい、この『はるさん』が運転している時だ。

そんな『はるさん』は、寒い冬の季節には、隙間風が入り込む旧型電車の乗務に多少きつさを感じることもあるけれど、毎日この電車に乗務できることを誇りに感じている。

古くからの乗客が『はるさん』を見つけると、買い物に行った話、最近の健康状態、気候の変動やニュースについて、わずかな時間に話し込んでいくのだ。

僕も『はるさん』が運転している電車が走っていくと、そのまま終着の谷汲駅まで車を走らせた。

きっかけはよくわからないけれども、『はるさん』も、僕のことをかわいがってくれた。
僕が写真を撮りにきていると聞くと、わざわざ探しにきてくれることもあった。
谷汲駅でのお花見にも来ないかと声をかけてくださったりもした。
鉄道青年にとって、運転士さんから挨拶をしてもらえることは、とても嬉しく感じたものだ。

谷汲線の写真集は2冊作っていただいたけれど、その2冊とも『はるさん』が写っている写真を使わせていただいた。

地域のために走り続ける谷汲線のイメージそのものだったからだ。

谷汲線の写真集が完成してから7年。
年が明けて、写真集に写っている『はるさん』を見つけた人から、僕宛にメッセージをいただいた。
メッセージは、『はるさん』の娘さんからのものだった。

『父の姿を写してくださってありがとうございます』という内容だった。

二冊目の谷汲線の写真集を作るときに『ベテラン運転士』として紹介するページを作りたかったけれども、完全に再現することは できなかった。

いつか、娘さんに、直接『はるさん』のことを伝える機会が巡ってきそうだ。
こちらこそ、見つけてくださってありがとうございました。



Author: masaki

駒田匡紀(こまだ まさき) 1971.6.13 フリーカメラマンです  撮影や取材など、お問い合わせは、コンタクトフォーム、メールをご利用いただけます。 スタジオについてはPhotoStudioをご覧下さい

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