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ダーマト

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なんだか懐かしいような光景が広がっていますが、現在の僕のデスク。
使用するネガだけ選んで、使用するカットにマークと、通し番号と、使用するページを記入してます。


デジタルだと、こんなことをする必要もないでしょうけど、銀塩の時は、ビューワーとダーマト、ルーペが定番。
ダーマトは、先っぽについている糸をぴーっと引っ張って芯を出していきます。

スタジオでフィルムがあがってくると「おいっ!ダーマト!!」
「ルーペ、ルーペっ!!」「電気消せっ!」
みたいな感じで、ビュワーの前にカメラマンとデザイナーさん、チーフアシスタントなどが陣取ります。

「おう、駒ちゃん、今のうちに掃除しといてー。光ってるとこスプレーしてあるから気をつけてね」
急いでいる時は、そんなこともよくあることでー

先生たちがアガリを見る前にこっそり見ておいて「フィルムあがりましたー」というのが、要領のいい下っ端ということになるわけです。
じゃないと、偉くてちょっと怖い人達がビュワーを占領してしまって、アガリを見る機会を逃してしまうからです。

「おいっ!ダーマトだろっ!!ダーマトっ(怒 俺がここに来たらルーペとダーマトだろっ 何年やってんだよぉー!」

いっつも怒鳴られていたなーと、微妙な力関係を気にしながら、大きなビュワーを皆で覗き込んでいた頃を少し懐かしく思ったりしています。

ビューワーに関する思いで
ビューワー周りでは、仕事に関するありとあらゆる出来事が凝縮して現れていきます。
しばらくトラウマになってしまうような出来事も今では笑い話。

2日かけて仕上げたセット。
毎回、先生は粘るので、2度目の本番だったか・・・
当時、のんきな下っ端でしたので、何を粘っているのかすら解らず、もうろうと作業を進めていたと記憶しています。

いわくつきのカット終了。
急いで現像所にいって・・・

『よしっ、もういいだろ・・・バラそっか』

なんだか、「助かった」的な安堵感とともにセットをバラし始めると・・・

『おわっ!!こ、こんなところに脚立が〜!!!』

やりっ放しで片付け忘れた脚立がアングルの中に入っていたのです。
この時は、脚立がまるで商品の一部ように馴染んでいたので余計に・・・恐ろしいー

セットが若干動いていたこともあり、微妙な角度だったので、このままにしてアガリを待つことに・・・


皆でビューワーを眺めます。

その日から、僕の名前は、しばらく脚立になりました。


そこそこ、アガリを堂々と見ることができる立場になると、余計に、冷や汗の連続・・・
もう、あの生きた心地がしない、凍りつきそうな時間を味わうことはたぶんないのですー


ふたたびダーマトにー
ダーマトは、普通の色鉛筆ではかけないようなものにも書けて、ちゃんと落とせるのでけっこう便利です。
白、赤、黄色が定番でしたけど、けっこうカラフルなんですねー

とと・・・
感傷にひたってさぼっているわけではありません。
10年分撮ったフィルムから、間違いのないようにチェックしながら選んでいるので、ちょっと息抜きでポストしてみました。



Author: masaki

駒田匡紀(こまだ まさき) 1971.6.13 フリーカメラマンです  撮影や取材など、お問い合わせは、コンタクトフォーム、メールをご利用いただけます。 スタジオについてはPhotoStudioをご覧下さい

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